顎関節治療
顎関節症とは
アゴから音が鳴る、お口を開けると痛い、口が開けづらい
このような症状がある場合、顎関節症になっている可能性があります。顎関節症は、一時的なもので自然に治る場合も少なくなく、約半数の人が人生の中で一度は経験するとも言われているありふれたものです。ですが、症状が長引く場合には、放置すると悪化していくことがあるので、注意が必要です。
関節は筋肉に支えられており、神経が集中しています。この顎関節は食事や会話をするときに常に働いていますが、この顎関節部の動きが悪くなったり、音がしたり、その周囲に痛みが出るような症状を「顎関節症」と呼んでいます。
近年、特に顎関節部の不快感を訴える方が増えていると言われています。顎というのは、食事の時、話す時など絶えず使うところですので、不快な症状を感じやすく、日常生活に支障を感じる方も少なくありません。
症状は人によってそれぞれであり、軽い症状から重い症状まで幅広く現れますが、顎関節症のほとんどは、適切な対処により軽快し、生活に支障がない程度にまで回復できます。
ところが、適切な対処を怠ると状態が進行し、正常な機能が失われてしまう場合もあります。そのため、できれば早いうちに歯科を受診することが大切です。
顎関節症の症状
■顎関節の雑音
口の開閉の際に、顎関節でカクッ、コキッ、ゴリゴリというような音がする
■口が開けづらい
口を大きく開けにくくなったり、口の開閉をスムーズに行うことができない
■顎が外れることがある
口を開けにくく、大きく開けると顎が外れてしまうことがある
■顎の関節周辺に違和感や痛みがある
顎関節やその周辺に違和感や痛みを感じる
■ものを咬むと顎が痛い
ものを咬んでいるとあごがだるくなる、口を動かすと顎関節が痛い、咬みしめると顎関節に痛みが走る
このような症状が一つでもある場合、顎関節症の可能性があります。このような症状は、ずっと起こるわけではなく、通常は悪化したり良くなったりというのを繰り返しますが、ほとんどの場合はあまり深刻な状態ではなく、それほど心配はいりません。
顎関節症の原因
悪い咬み合わせ
上下の咬み合わせのバランスが悪いと起こることがあります。
ストレス
精神的なストレスで顎の周りの筋肉が緊張状態となって起こることもあります。
歯ぎしり・食いしばり
夜間の歯ぎしりや、食いしばりの癖がある場合、顎に過度なダメージがかかりやすくなります。
癖や姿勢によるもの
左右どちらか、片方でばかりかんでいる場合、姿勢が悪い、頬杖をつく、うつぶせ寝をする、といった生活上での癖が原因となることもあります。
顎に過度の負担がかかった
あくびをする際などに大きく口を開けすぎた、硬いものをかんだ、など顎に大きな負担がかかった場合です。
外傷
顎を強打することが原因となることもあります。
顎関節症の治療法・対処法
歯科医院での治療法
かみ合わせに問題がある場合には、かみ合わせの治療(咬合治療)が必要です。一般的によく行われる方法としては、スプリントと呼ばれるマウスピースを夜間に装着する、というものがあります。これにより、上下が均等に当たるようにすることで、顎の筋肉の緊張が緩和され、顎をスムーズに動かすことができるようになります。
必要に応じて、合っていない詰め物やかぶせもの、入れ歯などをやり直し、かみ合わせ自体を整えていくこともあります。また、矯正治療で整えていく治療法もあります。
顎の変形が強い場合などでは、手術をした方が良いケースもあります。
ご家庭での対処法
顎関節症は、ご自分で気をつけることによって症状が改善する場合も少なくありません。症状があるときには、次のような点に気をつけてみましょう。
- 硬い食べ物は避け、あまりかまなくて良い食事をする
- 食べるとき、話すとき以外には上下の歯を接触させない
- 大きくお口を開けてあくびをしない
- 長時間の歯科治療は避ける
- 頬杖、うつぶせ寝、片咬みを避ける