インプラントの寿命はどのくらい?
長持ちさせるための注意点
「インプラント周囲炎」に注意!
インプラントは人工物なので、虫歯にならないし一生持つ、と思われていることがあります。しかしこれは大きな間違いです。確かにインプラントは人工物ですので虫歯になることはありませんが、天然歯のように、歯周病になって抜け落ちてしまうことがあります。
インプラントに起こる歯周病の状態を「インプラント周囲炎」と呼んでいますが、この状態になると、歯周病のようにインプラントを支えている骨が溶けていき、しまいには支えきれなくなってインプラントが抜け落ちてしまいます。
しかし、インプラント手術が正しく行われ、きちんとケアされたインプラントならば、ほぼ永久的に残すことも決して不可能ではありません。実際に、世界初のインプラント患者さんは、寿命で亡くなるまでの41年間、インプラントでしっかりと噛めていました。
さすがに入れ歯やブリッジでここまで持たせられるということは不可能です。しかし、このように、インプラントはきちんと行われれば、一生残すことも夢ではありません。
インプラントの寿命
インプラントの寿命とは?
「インプラントの寿命」とは、インプラントが抜け落ちるまで、もしくは問題が起こって撤去されるまでの年数のことです。
厚生労働省がおこなった調査によると、90〜95%ほどのインプラントが、インプラント治療後10〜15年たってもお口に残っていることがわかっています。一般的には上顎よりも下顎の方が、骨がしっかりしているので、より長持ちしやすくなります。
インプラントは常に研究、改良が繰り返されており、だんだんと成功率も上がってきていて、それに伴いインプラントの寿命も長くなってくることが予想されます。現段階では、上顎の場合に93%、下顎の場合に95%くらいが20年経っても残っているだろうと予測されています。
長持ちさせるには?
インプラントの寿命は、意識次第で長くすることが可能です。インプラントを長持ちさせるために、ぜひ次のことを意識してみてください。
■歯科医院を慎重に選ぶ
インプラントを行う歯科医院選びが大事なのは言うまでもないでしょう。インプラントは、現在の日本では、歯科医師ならば誰でも行えることになっています。ですが、「近いから」「安いから」というような理由で安易に歯科医院を選ぶのはおすすめしません。
・衛生管理がしっかりしているか
・インプラントを行う歯科医師の経歴、経験、症例数
・アフターケアをしっかりとおこなっているか
・質の高いインプラントを使用しているか
・デメリットを含め、説明をしっかりとおこなっているか
■日々のお口のケアをしっかりと行う
ご自分の歯でも同じことが言えますが、インプラントの場合も、出来るだけ長持ちさせたいなら、毎日のお手入れをしっかりと行うことが必要不可欠です。インプラント周囲に歯垢をためないよう、正しい方法でのブラッシングを行うようにしましょう。
■定期的なメインテナンスを欠かさない
長持ちさせるためには、インプラント治療が一通り終わっても、定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける必要があります。普段の歯磨きでは取りきれない汚れをクリーニングするのに加え、定期的にレントゲン診査、かみ合わせの診査をし、異変があれば早めに対処を行うことが大切です。
■健康的な生活を心がける
健康的な生活を送ることは、歯の健康、インプラントの健康状態にも影響してきます。例えば、タバコは歯茎の血流を悪くし、歯周病やインプラント周囲炎を引き起こしたり悪化させたりする原因になりますので、なるべく控えましょう。
また、糖尿病にかかると、感染症にかかりやすくなるため、歯周病の発症・悪化のリスクが高まります。そのため、糖尿病にかからないよう、健康的な生活を心がけることも大切です。